4年の間に、私は姉と二人で、おにぎりの店をオープンさせた。


駅前に小さな店を借り、大きな炊飯器を買った。


店の改装費などで、多額の借金をした。


商売が起動に乗るまでは、地獄の毎日だった。

姉は、開店当時、まだキャバクラで働いていたので、店の赤字は、その給料で補った。


姉の考えた、スウィーツおにぎりがヒットして、雑誌で紹介されてからは、利益が出始めた。


おはぎにヒントを得て考え出したそうだ。

人気のチーズカスタード味、抹茶味をはじめ、7種類のフレーバーがある。


おにぎりは食事という既成概念を覆し、スウィーツという新しい道を切り開いたことが、世間の注目を集めた。


私の考えた、餅入りのおにぎりも、ヒット商品となった。


もちもちのお餅と、ぱっちりと炊けたお米の組み合わせが、たまらないと評判だ。


スウィーツおにぎりは、OLや女子高生に人気だが、もちもちおにぎりは、主に、男性が買って行く。


仕事の上では何もかも順調だ。


姉妹二人が十分に暮らせる収入があり、たまには、こうして、海外旅行にも行くことが出来る。



ただ、心は満たされていなかった。