「エリコが脅迫をうけているという情報は、ヨッチーだけでなく、俺の耳にも入ってきたんだ。
もっとも、俺は、脅迫を受けるようになった原因は知らなかったんだが……」

村松さんは続けた。

「最初、俺は2号店の奴に違いないと思った。
今までも、2号店の奴から何らかの脅迫を受けることは多かったからね」

「そうですか」

「とぼけないでくれよ」

「すいません。私がやってました」

「そう。それで、俺は、2号店の奴をとっちめてやろうと、エリコのまわりを探ったんだ。
そうしたら、一人の人物が浮かび上がってきた」

「誰ですか?」

「ポプランの臭いママだ」

「……え」

「臭いママがエリコのまわりをかぎ回っていたんだ」

「そうだったんですか」

「聞き込み調査をしたら、ポプランでママをやっていて、昔はキャバクラで働いていたということがわかったんだ。

それで、そのキャバクラに試しに行ってみたら、そこでみどりちゃんのお姉さんに出会ったんだ」

「そうだったんですか……」

「そうこうしているうちに、臭いママは殺されてしまった」

「ええ」

「臭いママの店に忍び込んで捜索したところ、ヨッチーの遺書が見つかったんだ」

「臭いママがヨッチーの本物の遺書を!?」