確かに、みどりちゃんの言うとおり、お姉さんに近づいたのには狙いがあった」

村松さんは言った。

チノパンにアーガイル柄のセーターを着て、烏龍茶を飲んでいる。


束縛を解かれた私は、さっきまで縛り付けられていた椅子に腰掛けている。


「俺がお姉さんと出会ったのはキャバクラだった。

みどりちゃんもご存じのとおり、キャバクラ嬢と客という関係だった」

「ええ」

「まさかみどりちゃんのお姉さんだったとは思わなかったが……」

「そうですね」

「俺は、ある女性の手がかりを調べていたんだ」

「誰ですか」

「ポプランのママ」

「臭いママ!?」

「そう。ポプランの臭いママだ」

「殺されたからですか」

「いや、その前からだ」

「何のために?」

「1号店の為だ」

「1号店の為……?」

「いや……エリコの為かな」

「どういうことですか」