体の自由が利かない。

眠気が全身を襲う。

目蓋が重い。

私は、抵抗できずに、そのまま眠りに落ちた。






目を覚ました時。

私は思わず叫んでしまった。

私の手足はビニール紐とガムテープで縛られ、ダイニングチェアに固定されていた。


「おはよう。みどりちゃん」

村松さんは無表情のまま、そう言った。

「何するんですか!」

「大声出すなよ」

「こんなの、出しますよ」

「気持ちはわかるよ。でも、お姉さんがどうなっても良いのかな」

「!」

村松さんの後ろにあるソファで、姉は横たわっている。

「彼女に飲ませた睡眠薬は、ちょっと協力でね」

「姉をどうするんですか」

「みどりちゃんがおとなしくしていてくれたら何もしないよ」

「うるさくしたらどうするんですか?」

「まあ、殺しはしないけど、ちょっと痛いことをするよ」

「卑怯者!」

「おっと。卑怯なのはどっちかな?スパイちゃん」

「………………」