ヒトシは、家のドアの前まで送ってくれた。

もちろん、軽自動車では、マンションの階段は登れないので、そこは徒歩だ。


ヒトシにさよならを言って、鍵を閉める。


電気をつけて部屋を見回した時、見慣れたはずのいつもの部屋に、私は違和感を感じた。


違和感の原因に気付いた時、私は思わず悲鳴をあげてしまった。



冷蔵庫の扉に、文字が書いてある。

油性のマジックペンで書いたような字だ。


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おまえも死ね
逃げるな、ひきょう者

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姉の字ではない。
そもそも姉がこんなことを書くはずがない。


水色男が部屋に入って書いたとしか考えられない。


私は、恐怖のあまり、立ち尽くした。