「男に付けられてる気がする~!?」

ちょっと目立つくらいの大きな声でヒトシが言った。


いきつけのパスタ屋さんの4人掛けテーブル。

食後のお茶を飲んでいる時のことだ。

私は、水色男からの嫌がらせがまだ続いていることをヒトシに話していた。

「そうなんです。毎日毎日、気持ち悪くて」

「気のせいじゃないか?」

「変な手紙もくるし……見てください」


私は、カバンの中から、手紙の束を取り出した。

『死ね』

『俺は知っている』

……

短い文章が、余計に気味悪い。


「こんなにたくさんきているのか」

「そうなんです」

「それは困るな」

「ひとごとじゃないです」


その夜。

ヒトシは私を家まで送ってくれた。

ヒトシの軽自動車に乗るのは久しぶりだった。



郵便受けには、相変わらず、変な手紙が入っていたけど、ヒトシが一緒だと、心強かった。

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死ね、クソババア。

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手紙には、一言、それだけ書かれていた。