少しして宇多野さんがアタシに言った。 「今日は、一緒に帰ろ? 王子様、まだ入院中なんでしょ?」 宇多野さんはタクミくんの名前を知らないから彼のことを王子様って呼ぶ。 「ありがとう」 「彼の退院はいつ?」 「今、まだちょっと微熱があってそれが下がったら・・・」