「あ、そうだ。 渡したいものがあるんだ。 よかったらちょっと寄って行って?」 タクミくんは急に思い出したように言う。 アタシは何の迷いもなくうなずいてタクミくんについて行く。 だって少しでも、 もう少しだけでも長く一緒にいたかったから。 このまま京都に行った今日を終わりにしたくなかったから。