アタシたちはそのまましばらく彼女と赤ちゃんを見送ったまま動かなかった。 たくさんの人が行き交う。 ・・・雑踏の中。 タクミくんが静かに言った。 「さっきの、あかちゃん・・・」 「・・・うん」 「泣いてたね・・・大きな声で・・・」 「・・・うん」