ウソナキ。


穏やかな顔をしている。

幸せだったんだろうな、
そう思った。


「いつもエレベーターのところでたくさんの人が並んでてね。
待つのが退屈でワガママ言ってよくみんなを困らせてたなあ。

あ、今日は平日だからそうでもないかな」


彼はそう言いながらアタシを手招きしてエレベーターの乗り場へ呼ぶ。

アタシは小走りで追いかける。