それからまた紅とデート。



行ったことのない新しくできたカフェに入ったり、紅が下着を買うとかで待ちぼうけくらわされたり。



今日はなんだか全部が新鮮で、マキと叶以外のヤツに初めて本当の笑顔を見せられたかもしれない。



紅の存在が俺の中でどんどん大きくなってることに気付く。



「今日はどうする?」

「帰る。俺もひとりで頑張ってみようかなって」

「じゃあ夜は電話しようね」

「いい。自分で寝てみる…」

「大丈夫?」



うん。



だって俺の居場所は紅でしょ?



もうひとりじゃないって実感してるから。



「耐えられなくなったら電話する…」

「うん、頑張れリン!!」



甘えてばっかりじゃダメだってわかった。



マキがあの時俺に言った『紅に甘えてる』ってのはこういうことだったんだ…。



悲しませないように努力しよう…。



「ねぇ、これカワイイ!!」

「女が『カワイイ』って言うのって『カワイイ』って言ってる自分が『カワイイ』アピールっしょ」

「はぁ!?なんかマジムカつく。死ね、リン」



ムカつかせないようにするのは難しい…。