それからメシだけ作って帰った女ふたり。



ヤれず仕舞いのマキは不機嫌そう。



「お前変わったな」

「なにが?」

「自分から行くリンを初めて見た」



キスのことか…。



俺も不思議だ。



紅にだけ、無性にキスしたくなる。



まるで俺の方が紅を求めてるみたいな…。



「あんまり傷付けんなよ?」

「努力はしてる」

「そうか?俺にはお前が紅に甘えてるように見えるけどな」



まぁ確かに…。



誰となにしようが何も言わないし。



離れて行かないような気がしてるのかも…。



「やっぱ恋愛ってわかんねぇや…」

「教えてもらえ、紅に」

「あの泣き虫に?」

「泣くイメージねぇけどな」



俺にしか見せなくていい。



俺だけのために泣けばいいのに…。



変な独占欲…。



「お前さ、紅のこと好きなんじゃねぇの?」

「えっ?」

「長年見続けてるけどこんなリン初めて見た。はははっ!!マジウケる!!」



俺が…紅を好き?



まさか…。



ヤバッ、頭いてぇ…。