ひとり<ふたり

一方的に俺が殴ってケンカにすらならなかった。



マジムカつく…。



教室に戻ってカバンを手にした。



「マキ、俺帰るわ」

「は!?紅となんかあったのか!?」

「違う。気分的なもん…」

「顔色よくねぇな。平気じゃねぇよな?俺もサボるわ」



マキと一緒に学校を出た。



頭が痛い…。



そのまま家に帰ってソファーに倒れ込んだ。



「いてやるから少し寝ろよ」

「今日リマチャン休みじゃん。デートじゃねぇの?」

「なんだそれ、気ぃ使ってんのか?いまさら?」

「だってお前ら週1しか会えねぇし…」

「後で呼ぶからお前は気にすんな」



マキが兄貴だったら俺は寂しくなかったんだろうな…。



叶は弟。



暖かい家族、欲しいな…。



ゲームを始めたマキを眺めながら目を閉じた。



俺はこうしてマキと叶に支えられてる。



寝てる間に布団なんかかけてくれるマキってホントできた男。



女の声が聞こえる…。



マキの彼女だ…。