ひとり<ふたり

紅を生徒会室に待たせて教室に向かった。



名前なんだっけ…。



アンナ?



まぁいいや。



「ねぇ、紅の友達だよね?」

「リン君っ!?あっ、うん…」

「ちょっといい?」



目がクリッとしてて子犬みたいなカワイさ…。



紅とは正反対なんだろうな…。



「あのさ、紅、生徒会室で泣いてるから行ってやって?」

「泣いて…る?紅が?」

「すっげぇ申し訳なさそう。まぁ紅と君がケンカしたのも俺が悪いんだと思うけど」

「どうしてリン君が?」

「俺、紅のこと傷つけてる。いつも。常に…」

「えっ…?」



どこまで言っていいのかわからないからもう喋らない。



紅の強がりはきっと自己防衛だから。



プライドとか、高いのかな、アイツ。



「とにかく行ってやって?紅の話し聞いたら俺を恨むと思うけど」

「わかった…」



仲直りしろよ、紅。



そのまま行く当てもなく歩いて屋上にやって来てしまった。



ユキ先輩がいる…。



集団で…。