ひとり<ふたり

ティッシュを渡して黙々とメシを食った。



オバサンの弁当は最強…。



それにしてもカワイイ泣き顔。



昨日はどんな思いで泣いたのか、俺にはよくわからない。



『好きなヤツ』ってのが出来たことがないから、恋愛の苦しさとか痛みを考えられない。



俺は人を傷付けることをためらわない…。



最悪…。



相手の気持ちなんか全く無視だ…。



「どうかした?」

「梓にひどいこと言った…」

「梓ってあのちっこいの?」

「うん…」



話しくらい聞いてやろうと思えばこれまた『浮気』の話しで揉めたらしい。



そりゃ、俺と付き合ってれば感覚はおかしくなるさ。



紅がそう言うのも仕方ないと俺は思う。



「お前さ、友達に相談とかしないタイプ?」

「しないよ!!弱いとこ見せるの苦手だもん…」

「だから相手だってわかんねぇんじゃねぇの?紅の言ったことの意味」

「まともなこと言うな!!リンのくせに…」



これ以上欝陶しい顔されんのも疲れるし。



一肌脱いでやるか。