ひとり<ふたり

夜は葵がお粥を作ってくれた。



起きてこないリンはそのままにして…。



みんなそれぞれ勉強したりテレビみたり。



マキ君が今まで以上に勉強してるのはきっとリマのため。



別れたくないからこんなに頑張ってる…。



「大学決めたの?」

「リンと叶と同じとこにな。レベルたけぇからちょっとヤバいけど」

「そこまで一緒なんだね…」

「あ?ヤキモチか、それ…」

「マキ君に妬いてどうすんの!!」

「だよな。むしろキモい」



本当はうらやましいよ。



なんでも相談してもらえて、昔からリンのこと知ってて…。



あたしは男じゃないからリンの気持ちもわかんないし。



マキ君ほどリンの近くにいないような気がするもん…。



「紅がそばにいなかったらリン、今も荒んでただろうな」

「えっ?」

「お前がリンを変えてくれたから、だから安心して見てられる。肩の荷が降りたって感じだな」

「あたし…なにもしてない…」

「そばにいるだけでいいんだ。あとはリン次第だから」



言ってる意味がよくわからなかった。



だけど本当にリンを大事にしてるってことは伝わってきたよ…。