ひとり<ふたり

布団がないからふたりでくっついて眠った。



静かすぎる外が怖くて何度も起きるたび、リンが強く抱きしめてくれる。



リンもそんなに寝てない。



でもたまに『大丈夫…』そう言ってくれるリンに安心したのは確か。



朝は結構早く起きた。



隣で眠るリンの顔は、少し疲れたように思える。



このまま起きるまで寝かせておこう…。



外に出ておいしい空気を吸い込んだ時、よくわからない果物を発見した。



それを取ってみると、何気に食べられそうな…。



「紅っ!!」



リンが慌てて小屋から出てきた。



あたしを見つけてホッとした顔…。



「いなくなんじゃねぇよマジで…」

「ごめん…。これ取ってみただけ…。食べて?」

「ありがと…って…こんな得体のしれないもの食えるか!!」



朝から怒られたよ…。



でも食べられそうだったのにな…。



リンに毒見させる作戦は失敗に終わった。