不慣れな山道とかなりの距離のせいで本当に足が痛い…。



「ほら、乗りな?」

「なんか…男らしくてムカつくからいいもん…」



リンの世話にはならないもん。



リンだって同じくらい歩いたんだから。



あたしだけおんぶしてもらうなんて絶対ムリ。



しばらく歩くと山小屋が現れた。



これはきっとおとぎ話です。



今からね、あたしとリンは魔女に食べられるんだよ…。



きっとあれは山小屋じゃなくてお菓子の家…。



「日も暮れてきたからあそこに行こう」

「魔女がいたら食べられちゃうよ…」

「その魔女、俺が虜にしちゃうから大丈夫」



なんて頼もしいんだ…。



あたし、リンが彼氏でよかった…。



バッグに入ってるのはジュースと少しのお菓子。



これで何日過ごせるんだろう…。



リンが小食でよかった…。



きっと3日は生きられる…。