昔から長かったサラサラの髪は前に会った時より50センチは短くなったんじゃないかと思う。
手に持ったグラスがガシャンと音を立てて割れた。
「どう…して…?」
「会いに来ました」
幽霊でも見たような顔で俺を見る母さんは肌が白くて生気が感じられない…。
やつれたと言うか…。
生きる気力を感じない…。
「どうして来た…の?」
「ケジメです。母さんと俺の」
「林太郎…」
母さんの口から出た言葉は紛れも無く俺の名前だった…。
名前…呼んだ…。
俺の名前…。
「俺は…ミズキの代わりじゃないです…」
「…………」
「母さんの息子であって娘じゃない。俺は…俺は…」
言葉が出ない…。
ミズキに成り切ろうとした時と同じだった。
母さんの悲しみを考えると声すら出なくなる。
いいたいことは山ほどあるのに…。
「リンをあたしにください」
「えっ!?」
俺が喋れなくなってから数秒後、母さんに向かって紅が口を開いた。
手に持ったグラスがガシャンと音を立てて割れた。
「どう…して…?」
「会いに来ました」
幽霊でも見たような顔で俺を見る母さんは肌が白くて生気が感じられない…。
やつれたと言うか…。
生きる気力を感じない…。
「どうして来た…の?」
「ケジメです。母さんと俺の」
「林太郎…」
母さんの口から出た言葉は紛れも無く俺の名前だった…。
名前…呼んだ…。
俺の名前…。
「俺は…ミズキの代わりじゃないです…」
「…………」
「母さんの息子であって娘じゃない。俺は…俺は…」
言葉が出ない…。
ミズキに成り切ろうとした時と同じだった。
母さんの悲しみを考えると声すら出なくなる。
いいたいことは山ほどあるのに…。
「リンをあたしにください」
「えっ!?」
俺が喋れなくなってから数秒後、母さんに向かって紅が口を開いた。


