微笑ましいけどなんとなく壁を感じる。



リンががっつかないようにしてるような…。



こっち側から距離を置いてる気がするんだけどな…。



「それで相談ってなんだ?」

「母さんと連絡取ってますか?」

「いや…」

「会いに行きたいなって思ったんです」

「今日本にいる。離婚して実家に戻ったそうだ」



目を見開くリンの表情からするととてつもなく意外なことみたい。



離婚が?



それとも日本にいることが?



「尚更行けないですね…」

「そうか?あちらのお母さんの話しだと落ち着いてるそうだが…」

「父さん的にはどう思いますか?僕が会いに行くこと」

「やめといた方が林太郎のためだと思う」



やっぱりまだダメなのかな…。



リンの想いは一生伝わることはないの?



健気にお母さんのことを思ってるのに…。



「もう疲れたんです。母さんのことを頭の片隅に置いておくのが」

「拒絶されたらどうするつもりだ?」

「それでもまた、前に進めるような気がします」

「なら会うといい」



リンのケジメか…。