ひとり<ふたり

俺の気持ちも話した。



紅をどう思ってるかとか、みんなに感謝してること。



俺はもうひとりじゃないって。



「実際幸せそうでムカついた…」

「否定できない。幸せだもん」

「壊れちゃえばいいのに…」

「性格悪っ」

「知ってます。でも誰か愛してくれるかな?」



ヒメなら大丈夫。



きっと誰かに大事にしてもらえると思う。



「俺そろそろ帰るから。今日はご飯作ってやんの」

「変わりましたね、先輩…。なんだか思い知らされた…あたしの悪いとこ…」

「ヒメも紅みたいなヤツならきっとうまく行くよ」

「もういいです!!バイバイ、先輩。いろいろすいませんでしたっ!!」



笑顔で別れられた。



泣いてもいつかいっぱい笑えるから。



その時まで頑張れ、ヒメ。



こんなこと紅に言ったら怒られそうだから黙ってよう。



アイツ、キレると怖いしね。



短気だしさ、超美人だけど性格悪いし。



でも超暖かい心を持ってるんだ。



俺は今からその温もりの場所にちゃんと帰るよ。