ひとり<ふたり

なんだろう、この感覚…。



痺れに近いような…。



震えるような…。



「あの…俺、夢見てもいいですか!?」

「なんのだよ!!」

「なんかすっげぇ最強のような気がすんだよ!!マジでこのままどこまでも…」

「気が早いよ白チャン。ライブは明後日っしょ~。とりあえず3年に負けねぇ!!」



文化祭には少し有名なバンドの先輩達も出る。



あたし達はきっとナメられるだけナメられてるはずで。



リンとマキ君がまず先輩に嫌われてるから『顔だけ』とか言われてんだろうな~、ってみんな感じてる。



「ライブハウスとかでやりてぇ」

「マキが積極的だっ!!怖っ!!」

「俺はプロ目指すし」

「なんで?マキが?」

「いい暮らしがしたいから」



不純な動機でマキ君の本音を聞いた…。



まぁマキ君らしいって言ったらマキ君らしい。



リンと同じ気持ちの人が2人いる…。



リンとマキ君と白は上を目指してる…。



「僕は着いてく系で」

「適当だな叶…」

「だってなるようにしかなんないし」



あたしは?



流れに任せる系で…。