ひとり＜ふたり

そのまま地べたに座り、ギターを取り出したリン。



「切ない系？」

「なんでもいい!!」



初めて聞いたリンのギター…。



やっぱりなんでもできる…。



「ギターうまっ!!なぁ、叶。なんで路上？」

「リンはギャラリーがいないと燃えないの」

「変わったヤツ」



白と叶の会話の直後に歌い出したリンの声に周りが振り返り出した。



やっぱり上手い…。



リンの説得力のある声がジワッと心に滲みる。



歌い終わった時には沢山の人が周りにいた…。



気づかないほど引き込まれちゃう…。



「兄ちゃん、もう１曲歌ってよ」

「なにがいいですか？」

「オリジナルないの？」

「了解」



えっ、リンが作ったの？



ビックリするあたしと白をよそに、叶は嬉しそう。



なんで曲とか作れるの!?



歌詞もメロディーも聞いたことのない曲だった。



ヤバイ、リンのバラード…。



「あの人超カッコイイ…」

「歌上手くない!?」

「惚れそ～!!」



あたしも惚れ直し…。



リン、あたしももっと頑張るね!!