ひとり<ふたり

膝の上で寝てるキラを撫でながら一緒にテレビ見たり、今旬の女優について語ったり。



マジで楽しすぎて寝たくないくらい。



「リン君は成績はどんなもんだ?」

「紅より優秀~。通信表見る?」

「頭もいいんじゃモテるだろ!!自分の若い頃を見てるようだ…」

「えっ、俺ってオジサン似?」

「昔の俺はもっとイケメンだったぞ!!」



ムリして使った『イケメン』も、紅の冷たい眼差しも。



全部が暖かい。



「お盆にお母さんの実家に帰省する予定だけどリン君も行くか?」

「話し反らしたね」

「べ、別に…」

「俺バイト始めたからどうなるかわかんない。あっ、紅もか」



お盆なんて忙しいだろうし…。



郁兄に相談だな。



「バイトするのか!?」

「あっ、これ承諾書。ハンコ押してくれるよね?」

「喫茶店?まぁリン君も一緒なら…」

「やった!!じゃ、頼んだよ?お父さん」

「わかった」



オジサンは何気に紅に甘い。



根が優しいから怒ったりしなそうだ。