ひとり<ふたり

一瞬でお弁当をたいらげたリンはソファーに座って目を閉じ始めた。



本当に具合悪いんじゃないの?



「リン、大丈夫?」

「それって心配?やさしいね~紅チャン」

「し、心配なんてしてないし…」

「早く食べてよね~。俺寝ちゃうよ?」



勝手に寝ればいい。



本当に何考えてんだか…。



そもそもあたしと付き合ってることが不自然なんだって。



なんであたしはリンの彼女なの?



「ねぇリン、なんであたしと付き合ってんの?」

「顔がカワイイから~。それに泣き顔好きだし。早く俺のために泣いてよね」



あんたのために泣いてる女なんて星の数ほどいるっつーの。



本当に罪な男だ…。



「紅の特技ってなに?」

「特技?ピアノとか」

「似合わない…」

「これでも先生になれるくらいうまいんですけど~」

「じゃ、俺とやる?音楽」

「へっ?」

「何かに没頭すれば忘れられるかもよ~?俺、ヴォーカルね」



何勝手なこといってんだか…。



誰がバンドなんて…。



でもいいかも何かに没頭するの…。



しかし、リンと?



またリンか…。