こうして俺は安西家に拾ってもらえた。



部屋はもちろん空き部屋の和室。



紅の部屋は2階だし俺の部屋は1階。



とにかく夜ばいは禁止らしい…。



「リンチャ~ン!!ご飯できたわよ~!!」

「今行く~!!」



俺がここに住むと決まった日の夕食にはケーキが並んだ。



『家族』として受け入れてくれてる…。



オバサンもオジサンも想像以上に優しい…。



俺は今、生まれてきたことを感謝しちゃってる…。



「リン、お茶」

「自分でしなさい紅」

「いいじゃん!!リンは動いてくれるよね?」

「あなた女のコでしょ!!料理もまともにできないし!!お茶くらい自分でしなさい!!」



そんなやり取りが温かさをくれる。



迷惑かけないように生活するから…。



一人前になったら恩返しもする。



だから少しだけここに置いてください。



「お姉っ!!プレートはリン君が食べるんだよ!!」

「別にいいじゃん!!リン、食っていい?」

「ダメ!!リン君の!!」



ケーキのチョコプレート。



『リンチャン、今日からよろしくね!!』



マジ…泣けるっ!!