されたらこっちだってたまったもんじゃないけど。



右頬を押さえながら隣を歩くリンはなにやら不服な様子…。



リンがあたしの彼氏なんて…最悪。



「リ~ン!!」

「あっ、ユキ先輩!!」

「あんた彼女ってマジだったんだね~。ショック」

「へへっ、俺、紅一筋だからヨロシク」

「いいなぁ~。あたしも愛されたかった~」



あたしもって…。



確実に関係のある人じゃん…。



しかも一筋って…。



浮気しまくりじゃねぇか。



「別れたらまた遊んでね~」

「バイバ~イ」



あたし、なんでリンと付き合ってんだろ…。



別れてもいいんだけど。



「紅~…」

「なに…」

「さっきので口ん中切れた…」

「知るか」

「カワイくねぇの~…」



はいはい、カワイくないですよ。



ついでに思いしね。



性格悪いし。



「今日デートな」

「ヤダ」

「強制」

「うるさい」

「じゃ、また昼ね~」



リンと教室が違うのが救いだ…。