しばらく歩いた。
外の景色は、やっぱり元居た世界とは違っていた。
隙間無く建っているはずの雑居ビルは無く。
青々とした木々たちが茂っている。
「麻由、着いたぞ…。」
静かにそう言い、襖を躊躇無く開け放つ。
そこには、正座をし、頭を畳に付けている何人もの従者とその中心に我が物顔で座っている銀髪の男が居た。
「なんじゃ…。随分と待たされると思うておったら…焔よ‥とうとう妾を取ったのかや?」
ククク…と可笑しそうに笑うと、焔を見る。
「麻由は妾ではない…。異界からの客人だ。」
「異界……?」
ピクりと眉を動かし、私を見る。
「もしかすると……。」
「なんだ…、清弧。」
「その異界人、ワシの客やも知れぬ。」
「なに?」
「いやはや…、術者共め…よりによって焔のところとは。」
.
外の景色は、やっぱり元居た世界とは違っていた。
隙間無く建っているはずの雑居ビルは無く。
青々とした木々たちが茂っている。
「麻由、着いたぞ…。」
静かにそう言い、襖を躊躇無く開け放つ。
そこには、正座をし、頭を畳に付けている何人もの従者とその中心に我が物顔で座っている銀髪の男が居た。
「なんじゃ…。随分と待たされると思うておったら…焔よ‥とうとう妾を取ったのかや?」
ククク…と可笑しそうに笑うと、焔を見る。
「麻由は妾ではない…。異界からの客人だ。」
「異界……?」
ピクりと眉を動かし、私を見る。
「もしかすると……。」
「なんだ…、清弧。」
「その異界人、ワシの客やも知れぬ。」
「なに?」
「いやはや…、術者共め…よりによって焔のところとは。」
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