「鈴琳(れいりん)ではないか。」


あぁぁぁぁぁぁぁぁ!やっぱり仲間だったのね。
うん、分かってたよ?
だって尻尾あるしね…、清弧と同じ雰囲気だしね…

でもさ?少しは希望を持たせてくれてもいいじゃないか…。
それなのに、現実逃避を数秒で終わらせないでよ!


「清弧さま!奇遇ですわね!」

にこりと笑った顔は、可愛らしく、まさに美少女だった。

「そうじゃな。で?何をしていた?」

「……………お掃除ですわ!あら?あなた…。」

その間はなに!
あっ、目が合っちゃった。


「あぁ…、そうであった。この娘は許婚の麻由じゃ。」

「まぁ!」

「ちちちち違います!許婚じゃないです!」



なぁにを口走っとるんだ!
誰が誰の許婚になったか!



「…そうだぞ清弧。笑えぬ冗談は止めておけ。」


あ、

そう言えば焔たちも居たんだった…。


「冗談?冗談など言ってはいないがの?」



不敵に笑う清弧を睨み付け、麻由を腕に抱き寄せた。


「うひぃ!きゅ急になんですか!」


顔を真っ赤にさせた麻由の体温を感じる。

じわじわと、心の奥へ伝わる

暖かさ
安らぎ
安心
愛しさ


今までに感じたことのない優しい気持ちだった。






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