麗音side


俺の兄貴、啓は頼りない。
そしていじめにあっている。

分かっているのに、助けれないというジレンマ。


だが啓の日常に、不良が来た。ソイツは今、俺の目の前にいる。


――宇佐美飛夢


確かどっかの総長のはずだ。

何故そんな奴が啓を知っている?
それに啓だって、宇佐美を優しいって言ってた。

意味が分からない。


「おい、宇佐美」

自分でも、驚くほどに低い声がでた。


「誰だ?お前?」

俺を見たその目は、冷たかった。


「俺は啓の弟だ。
つ―か、お前啓いじめてんじゃねぇよ!!」

「はぁ??俺はいじめてなんかねーよ」


宇佐美は興味が全くないようで、俺から視線を外した。

それが余計に俺をイラつかせた。


俺は宇佐美の胸倉を掴み叫んだ。

「しらばっくれんじゃねー!!不良みたいなお前が、啓をいじめてるんだろっ!!っざけんな!」