ビックリして、頭がついていけなかった。


だって、宇佐美さんが僕を抱き締めたから。




そのおかげで、涙は止まったけど……



「宇佐美さん…??」




声をかけても、宇佐美さんから返事がなくて、そのかわり、


「啓、いじめられてんだろ??」




「!!!!」


なんで、そんなこと知っているんだ!???

まさか、宇佐美さんも僕をいじめに来たとか??



硬直した僕を、彼はまるで割れ物でも扱うかのように、僕の怪我したところを触った。





「ごめんな…啓。
守ってやれなくて」

「え…」


突然の言葉に混乱する僕。


「いじめられてることに、気付かなくて……」


「き…気にしないでください。僕は、大丈夫ですから」





そう言うと、宇佐美さんは僕の首もとから顔をあげた。

その表情は、さっきと変らぬまま怒ってて……



「強がらなくていい…泣きたい時は泣くべきだ。」