「だって、やっと書いたんですもん…
あ、30分もかかっちゃた」

時計を見て呟く佳奈。
すると、

「ほれ、見てやる」

そういい、勝手に彼女の履歴書を取り上げた。
それをじっと見る佳奈。
そして、

「大丈夫だな。
誤字脱字もナシ、志望理由も無難。
しかし、お前って字がうまいんだなぁ。
俺なんて読めねぇもんな」

と履歴書を佳奈に渡す。

「良かった!
先生が大丈夫って言ってくれるとなんか自信がわいてきますね」

と笑う。
クスッと笑う彼。
そんな彼を見…
自分は幸せ者だと実感する佳奈だった。

「で、これ」

と彼に渡されるプリント。

「あ、あぁ、競技会の?」

「そうそう、1週間後だろ?
だからちゃんと渡さなきゃなっておもってな」

そのプリントは、競技会のためのタイムスケジュールだった。
そして、前日から会場に入って、会場の設営。
次の日は、朝8時から競技会場へ。

「結構なスケジュールですよね」

佳奈が言うと、

「とりあえず、お前と神田は俺と一緒に行くから設営も手伝えよ」

と言われた佳奈だった。