その日の下校時間。

彼女が職員室に来るわけがない。

どう渡そうか考えながら何気に外を眺めた。


グッドタイミングッ


彼女が階段に座っている。
きっと神田を待っているのだろう。

俺は…走った。


「ここにいたか…」


そう言うと、ものすごく間抜けな表情で俺を見た。
思わず笑う俺。
ひとまず巾着袋を返し、礼を言った。

少しの沈黙。


そして俺は言った。

どうして部活に来ないのかを…
理由なんて分かってる。
が、彼女が言うわけが…ないか。

案の定、放課後は図書室にいると聞いた。


こりゃ…いつになっても来ないわけだ。


そして、どう言おうか考えた。


で、結局出た言葉が…

あれだった。


…お前がいないとつまらない…

…一日お前と話さないと充電できない…


なんて言えないな。


あぁ…また自己嫌悪…