「あ、新しい求人?」

貴子が話しかける。

「特別に見せてやる」

5枚の求人票が並べられる。
3社分が事務だったが…

「県外なんだ…」

佳奈がつぶやく。

「最近は県外就職が多くなってきてるからなぁ。
と、二人とも暇か?
ちょっと付き合え」

彼が言う。

「っていうかさ、それって選択肢ないし」

貴子が言うと、

「隣の印刷室。
かなりの量なんだわ。
だから人手を探してた」

「確信犯?」

「なわけないだろ?
ここにいた奴を連れて行こうとしただけだ」

そう言いつつ印刷室へ。
確かに、かなりの量のプリントだ。

「これを30部ずつ綴るから」

と言いつつ、10種類のプリントをテーブルに置きながら言う。
それから沈黙の作業。

「はやくしなきゃ昼休みが終わっちゃうね」

佳奈が言うと、

「終わった所までで良いよ。
残ったら、戸田が放課後やるから」

一緒に作業しながら言う彼。

「はぁ?」

佳奈と貴子。