「二つ以外はすべて大盛りで」

と友恵。
すると、

「お、剣道部だね。
特別に特盛にしとくわ」

「ありがとっ」

弁当屋のオバちゃんとそう話をしている。

「みんな動くからね…」

佳奈が驚いていると、

「ですよ。貴子先輩なんか、他の子の分まで狙ってますから」

と笑う友恵。
納得する佳奈だった。
学校へ帰り、部室へ弁当を届ける。
貴子と一緒に昼食を取っていると、矢部がやってくる。

「戸田、疲れただろ」

と一言。

「鍛えられます、友恵ちゃんに」

と言うと、大きな声で笑い、

「あいつはしっかり者だからな」

と言いつつどこかへ行ってしまった。
昼からは軽いウォーミングアップをし、終了という事だが、貴子は居残りをすると豪語していた。

「佳奈はもう上がって良いよ。
先に帰ってても良いけど、どうする?」

と彼女。

「池田に呼ばれてんの。
多分、内定の話だと思うんだけど」

そう言うと、

「そっか、じゃぁ、そっちが先に終わったら部室においで。
私が先に終わればメールする」

そう言われ、部室を後にした。