スノウ

すぐに僕は彼女の手を掴む事が出来た。

彼女の手はまるで氷のようにひんやりとして、死人のよう。

手を掴んだ瞬間に彼女は観念したのか警戒を解いた。


『私ヲ……私達ヲ嫌ワナイデ……』

「命の恩人を嫌う訳ないだろう?」


とっさに出た言葉であったが、言葉を発した後僕は1つの疑問を頭に浮かべる。

……私“達”って一体どういう事なんだろうか。

よく分からない。だって目の前にいるのは彼女1人だけだから。


『ダッテ私ハ……』


僕はその言葉の続きを何となく予想をしていた。多分的中していると思う。