スノウ

その翌朝、僕は再び彼女に出会う。

何かの気配を感じて目を覚ました時、そこにいたのだ。

それはまだ兄が眠っている時の事であった。

やはり扉の開く気配は全くなく、何処から入って来たのかは分からない。

僕は今度は逃がすまいとばかりに彼女に質問をする。

“君が僕を助けたのか”と。すぐに彼女は頷いた。

更に僕は“何故助けたのか”と聞く。

彼女は答える。今にも消えてしまいそうな声で。

“貴方ニハ嫌ワレタクナカッタカラ”と。