スノウ

更に時間は経過して。1週間。

外は相変わらずの銀世界であった。

溶ける事なくその白い塊は居座り続けている。

僕はあれから1度も外には出ていないから分からないけれど、

相当寒いんだろうなと言う事だけは分かった。

診療所に寝泊まりし続けている兄は先生と話し込んでいていない。

今この空間には僕が1人だけ。1人だけの世界は不気味な位に静かだと思う。

やる事もなくただ眠気が襲い始めた頃、視界にあの時見た白い少女を見付けた。

眠気は一気に吹き飛んで、僕が思わずベッドから起き上がりその方向へと進む。

もう少しで彼女を捕まえられそうになった瞬間。

幻のように消えてしまった。