スノウ

兄は“すまなかった”と僕に頭を下げてきた。

自分が帰る方向を間違えなければこんな事にはならなかったと。

ベッドに横たわる僕は片手だけを伸ばして、兄の肩を触った。

“兄さんの所為じゃない。悪いのは僕だから”と言いながら。

外を見れば雪が相変わらず降り続いていた。

正確に言えば、降ったと思えば降り終わって。降り終わったと思えばまた降って。

それの繰り返し。こう毎日こんな事が続くと、気分が悪い。

大嫌いな雪ばかりを見ていなければならないからだ。

この雪は何時になったら降り止むのだろう。

降り止んだら無理をしてでも彼女を探そうと思った。