次の日――。


今日は咲哉さんの仕事納め。


朝ご飯を食べ終えて、私はキッチンで洗い物をしていた。


寝室でスーツに着替えた咲哉さんがリビングに入って来た。



「穂乃ちゃん?」


「ん?」



私は洗い物をしながら返事をした。



「今日、ちょっと帰りが遅くなるかもしれないから……」


「えっ?何で?」



私は洗い物の手を止めた。



「用があるんだ……」



咲哉さんは私の頭を優しく撫でてきた。


用事って何だろう?



「…………うん」


「そんな顔すんなって!なるべく早く帰るから。なっ?」



笑顔でそう言う咲哉さん。



「約束だよ」


「あぁ、約束」



咲哉さんは小指を出してきた。


私は咲哉さんの小指に自分の小指を絡めた。