来た来た、来ました水族館!

「先輩っ! ペンギン探しましょう!」

「……急がなくても……」

と言いつつもなんだか少しだけ、本当に少しだけ歩くのが速い大翔。看板を頼りに歩いている。

「12時から餌付けを公開しているそうですよ」

大翔は急いで持っている時計で時刻を確認した。
11時34分……餌付けにはまだまだの時間だが……。

「あと30分も無いですね……」

30分も無い。その言葉を聞いたのかもともと考えていたのか、大翔は間髪を入れずに返した。

「行こう。今すぐ」

「はい!」

玲は先輩の返事の早さに驚きつつも、今まで誰も見たことがないくらいの満面の笑みで返事をした。