夢を見るんだ。

    自分は寝てる。
    真っ白な世界に。

  それで、目を覚ますと、
    蘭が遠くにいる。


   蘭の傍に行きたくて、

    行こうとすると
  いきなり自分は檻の中。

  それで蘭は俺に気付いて

   檻の前まで来るんだ。

    蘭に触れたくて

   手を伸ばしてみても

    蘭には届かない。

   目の前にいるのに……

 あと一ミリが届かない……。


    頑張る俺を蘭は、

    「どうしたの?」

 って小首を傾げて見ている。

それがたまらなく愛しくて……

それでも手を伸ばしていると……


     自分の手が
酷く汚れていることに気付く……
白い世界に不釣り合いなほどに
    穢れたこの手で
  蘭に触れて良いものかと
     悩んでいると
    もう一人の俺が
蘭を遠くに連れて行くんだ……。

  嗚呼……向こうの俺の手は
 なんて綺麗なんだろう……。