素直になるのが遅かった。
だから、大雅を傷つけた。
お父さんも傷つけた。
「杏奈、今日から2泊3日で俺ん家、泊まりに来い。これは命令や」
血を拭った手で、私の頬に触れる。
大雅の血や。
「エッチなことすんの?」
「あほちゃうか、お前。そんなことせーへんわ。説教や!!お前に話さなあかんことが山ほどあるから。寝かせへんぞ」
抱きしめてくれた。
中庭は、教室から丸見えで・・・・・・
大勢の生徒が私達を見ていた。
もう気にしない。
大雅ファンの視線も怖くない。
コーチにも、正直に全部話して謝ろう。
比べることなんてできない。
誰かが大雅の代わりになることなんてできない。
これから先もずっと。

