「大雅のこと、本気で好きやねん」
「杏奈・・・・・・ 俺かて、ずっとお前のこと好きやったのに」
大雅の目は真っ赤になって、今にも泣いてしまいそうな顔をしていた。
「大雅、まだか」
足音が止まる。
お父さんの厳しい声。
大雅は、ゆっくりとお父さんの方に向き直す。
サラサラの髪が揺れる。
「最後のわがままやから・・・・・・ 俺のお願い聞いてくれへん?」
大雅は、その場で正座した。
駆け寄る私。
突き放す大雅。
私も一緒に正座した。
「何かあるとは思ってたが・・・・・・こういうことか。高校生の恋愛なんてすぐに壊れるものだ。そんなもので、お前の一生を台無しにする気か」
壊れへん。
絶対に壊れへん。
壊さへん。
私は一生大雅だけを愛す。
大雅も・・・・・・
同じ気持ちでいてくれるなら、何でも乗り越えてみせる。

