「好きや…… 私、大雅のことが、好き」
「お前、頭おかしいんちゃうか?俺がお前を必要としたとき、お前は俺を捨てたんやで。そんな言葉…… 信じられると思うか?」
冷たい声やけど、顔は優しくて。
見上げたら、大雅の優しい顔があった。
眉を下げて、困ったような、泣いちゃいそうな顔。
「ごめん…… 大雅。 素直になれんくてごめん」
「なんでやねん。なんで今、そんなん言うねん。お前はどこまで俺のこと苦しめんねん……」
た、いが??
大雅の顔がくしゃくしゃになって、綺麗な瞳から大粒の涙がおぼれた。
私と同じようにしゃがみ込んだ大雅。
「せっかく、せっかく…… お前のこと忘れようって決めたのに」
私の手をぎゅっと両手で包み込むように握って、その手に大雅の口を当てた。
私の手に当たる大雅の歯。
涙を我慢する大雅の顔が愛しくてどうしようもない。

