「何を泣いとんじゃ。泣くくらい好きなんやったらぶつかったらええやろ」



お兄ちゃんの言う通りや。


何回もチャンスはあった。




でも、私は大雅から逃げた。






ううん。


心のどこかで、追いかけてくれるのを期待しとったんかもしれん。




私が冷たくしたら、大雅はどう変わるかなってアイツのこと試してた部分もある。





だからこそ、後悔してる。




なんで、美術室に行かんかったんやろう。


なんで、大雅を選ばんかったんやろう。





「学校辞めるのもほんまなんかな……」



「それは調査中や。よう聞けよ!おらんようになってからいくら後悔しても遅いんやで」




お兄ちゃんの言葉は、私の心にグサっと刺さる。




おらんようになってから……



おらんようになるん?


大雅、学校やめるん?