叩いて逃げるほど嫌じゃなかった。


ちょっとだけ、悲しかっただけ。






大雅にキスされた唇が、別の人のものになった気分。




「俺と付き合ってくれる?」



「好きちゃうのに、付き合うのおかしくない?」



「ええよ。3日で好きになる。久保田を俺に夢中にさせたるから」







どこから来るんや、その自信。


また思い出す。




自信過剰やったアイツを……





「好きな子おんねん」



「知ってるって。城之崎大雅やろ?アイツはやめとけ」







またキス。


拒むこともできず、ただ身を任せてた。





なんやろう。

心が動くわけでもなく、ただの唇と唇の接触。




大雅とは違うキスの仕方やな~って、落ち着いて分析したりして。





大人のキスは、私の心をちっとも動かさへんかった。





ますます恋しくさせてしまう。



アイツを……