「強がらんでええから。別に俺のことまだ好きちゃうくてもええから…… 俺に甘えろって」




コーチ……


ごめんなさい。





コーチの胸で泣きながら、頭の中に浮かんでいるのは大雅の顔やねん。





コーチ、コーチのこと好きになれたらええのに。


なれるんかな。





時間がたてば、大雅のことも思い出になっていくん?






「ありがとう」




コーチは私の“ありがとう”を、また誤解する。




「俺こそ、ありがとう。俺がお前のこと幸せにするから」








あごに手をそえて、もう片方の手で私の涙を拭う。




無駄のない動き。


さすが大人やなって感心してると……






キスされた。