純白の世界。

見渡す限り、辺りは雪で埋め尽くされている。

「うっわー!!雪だ~!!」

その美しさに感激した奈久留は、まるで幼い子供のようにはしゃいでいた。

ファルコも奈久留の後を追って雪の上を走り回っている。

雪夜はそんな無邪気な奈久留とファルコを見て、溜め息をこぼしつつも嬉しそう
に見つめていた。

――ppp

不意に、雪夜が握りしめていた探知機がなる。

探知機の画面を覗き込んでみると、どうやら現在地の確認が出来たようだ。

「今度は北国の雪村に来たらしいな」
「村って……。人が住んでるようには見えないけど……?」

雪夜の発言に、奈久留は足を止めて辺りを見渡す。

村どころか、周辺には家一つ見当たらず、人の気配すらも皆無だ。

だが探知機は、雪村の人口は1954人と記している。

どこにそんな数の村人がいるのか……。

それどころか、探知機は奈久留達の近くに人がいると警告をしている。

一体、どういうことなのだろうか?

「まぁ、とりあえず歩いてみようぜ!」
「そうだね!」
「キュッ」

悩んでいても仕方がない。雪夜の提案に、奈久留とファルコは迷うことなく言葉
を返した。