PEACE


* * *

「ん~ッ!!」

奈久留は太陽に向かって大きく背伸びをした。

奈久留の声で目を覚ましたものの、ファルコは眠そうにウトウトとしている。

(目が腫れぼったいや)

あんなに泣いたのは久しぶりだった。

雪夜と話したあのあと、いつの間にか寝ていたらしい。

「起きたのか」

「うん。雪夜おはよう」

「ああ」

奈久留より先に起きていたらしい雪夜は、既に朝食の準備をし終えていた。

昨日のこともあり、なんだか気恥ずかしい感じもしたが、そこはあえて意識しないようにする。

「ファルコ~? ご飯食べちゃうよ?」

半目のファルコにそう告げると、飛びつくように目を開き朝食にありつき始めた。

「ファルコ……私よりも食べ物に釣られるんだね……」

「まぁ、気にするな。奈久留も食べたらどうだ?」

「……うん!」
昨日と同様、雪夜が作ってくれた食事は相変わらず美味しそうな香りがした。

ごくり、と喉を鳴らしながら、奈久留も朝食を口にした。

そして、何かを思い出したかのように奈久留は雪夜に投げかけた。

「あのね。ずっと思っていたんだけど、おじいちゃんが言っていた『秘莱石』って、どう
やって探したらいいのかな?」

奈久留は少し首を傾げながら聞いた。

「実は俺も考えていたんだ」

どうやら雪夜も同じことを思っていたみたいだ。

雪夜もしばらく考え込んだが、「そうだ」と声を出した。